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2017/06/26 16:24:17 ブログカテゴリ 日記 | 書庫 全般
都の日暮れ 432
暫くして宮沢奈津子から連絡があり新都心の中華楼で会った。久しぶりだった。宮沢奈津子は、野中さんから倉田洋平さんが姉の智恵子を全て許して下さるとの話しがあり、早速姉に連絡をとりました。姉は涙を流しておりました。逃避行を止め近く沖縄に帰り、何ゆえに結納金を持って姿を消したのか等の経緯を話し改めて許しを得たいと話しておりましたと言った。そうですか、お帰りになりますかと洋平は喜んでいた。宮沢奈津子は倉田総合産業の次の社長に倉田洋平さんがなられるのですか?と聞いた。いや、私ではありませんといい、先日は那覇空港まで見送りありがとうございました。あれからロンドンに行き、兄に会い、スイスに行きアルプスを堪能して来ました。スイスのジュネーブで偶然に赤木桂子さんと云う女性に会いパリの空港まで見送りに来てくれていましたと言った。奈津子は、そうですか、それは良かったですねと言ったが内心では何故かいやだった。洋平がお母様を亡くされ大変だと思いますが何か経済的に困った時は私を頼って下さいと言った。奈津子はハンカチ
を出しそっと目頭を拭いていた。つづく


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2017/06/26 13:54:35 ブログカテゴリ 日記 | 書庫 全般
都の日暮れ 431
倉田洋平は次期社長を決める重役会に向け動き出した。まず小野寺経理部長と会った。倉田洋平は暫くイギリスに行って来た。兄の洋八とも会っていろいろ話した。次の社長には小野寺部長を推薦する事に成った。副社長には野中総務部長でいき、倉田英二さんは専務のままでお願いしたいと云うことになった。また私は何時でも常務を辞めてもかまわない。小野寺部長、これでまとめて欲しいと言った。小野寺部長は私が社長だなんて、洋平さんになって貰いたいと断った。しかし洋平が株主総会で重役会で決めるようににとの事だから私が小野寺部長を推せばまあ決まりですよ。母親も小野寺部長びいきですからと言った。ただ野中の副社長だが小野寺部長から野中を薦めて貰いたい。専務は不服だろうが私はこの人事に決めた。八月から小野寺部長は社長だ。社長給与はかなりなものにするように私から働きかける。社長になったら好きなように倉田の会社を経営して下さいと言った。小野寺部長はついにこの案を飲んだ。洋平は他の部長などの重役にも働きかけておいた。三人は反対した。
四人には次の社長が決まったら私から幾らか御礼をと匂わせておいた。こういう事には何故か洋平に皆ついていく。洋平には不思議なところがあった。
つづく


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2017/06/25 13:16:08 ブログカテゴリ 日記 | 書庫 全般
都の日暮れ 430
その頃、鳥取県の境港の旅館で働いている宮沢智恵子は東京の予備校生花村哲夫と連絡をとっている。花村哲夫は八月一日に東京にあの水難事故で智恵子を助けた三人が集まるので宮沢智恵子さんも是非上京して下さいと言った。承諾した。そして、うんと受験勉強して来年は合格して下さいねと智恵子は言ったが何故か虚しかった。それから妹の奈津子から連絡があり、智恵子は今日から自由な身になったと思い涙を流した。そして奈津子に私の逃避行も終わりにして近いうちに沖縄に帰り、倉田洋平さんに心から謝りたいと言った。また倉田洋平と婚約破棄をした経緯を詳しく話す積もりであった。もう花村哲夫に期待し、立派な医者にする夢は完全に消えていた。そうなるのであったら一人の男の人生まで壊す必要は全くなかったのであり智恵子も普通の結婚をしていたはずであった。運命のいたずらなのか、果ては命を救われた恩義を余りにも最大に感じた結果の不幸であったのである。智恵子は思った。倉田洋平は自分が結納金を持って結納の日に姿を消した事が洋平自身の自尊心を大き
く傷つけ、外国で人生をやり直そうと思っているに違いない。そこまで智恵子は考えていた。涙が流れ落ちていた。
つづく


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2017/06/25 10:39:29 ブログカテゴリ 日記 | 書庫 全般
都の日暮れ 429
翌日、野中は宮沢奈津子に連絡した。倉田洋平がイギリスから帰って来た。昨夜二人で飲みながら話した。宮沢智恵子さんとの事は今日で全く白紙にするように強く言っていたので、私と小野寺部長で取り仕切っていた宮沢智恵子さんの所在確認および警察への捜索願の取り下げをいたします。また今後、一切、この件での損害賠償を宮沢智恵子さんには行いませんので以上の件を宮沢智恵子さんに伝えて下さいと言った。電話の向こう側では奈津子が泣いていたようだった。野中さんから倉田洋平さんに心からのお詫びと感謝を伝えて下さいと奈津子は言った。野中が、社内の事ですが倉田洋平の意向で社長に小野寺部長を副社長に私野中をあて、倉田英二は専務のままになりそうです。また倉田洋平の兄の倉田洋八が近くイギリスから帰国するようですと一気に言った。奈津子はそうですかと言った。だけだった。野中はこれは私の単なる推測ですが倉田洋平は何れ倉田総合産業の常務を辞め、イギリスかスイスに住む積もりかも知れません。何れにしても、宮沢智恵子さんに早く沖縄に帰って
来て倉田洋平にもう一度だけ会って欲しいと思っていますと言った。明日からは七月になろうとしていた頃の事だった。
つづく


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2017/06/24 14:29:13 ブログカテゴリ 日記 | 書庫 全般
都の日暮れ 428 倉田洋平は続けた。どうも兄の洋八が私に同情して知り合いの赤木桂子をスイスまで行かせたのだと思っているのだがだ、この赤木桂子が私のホテルの部屋にもやって来てな。裸になって私の身体中シャンプーで洗ってくれたよ。大胆だが感激もしたなーもー。野中、男はこういうのに弱い。赤木桂子は名古屋市の大きな会社の娘だそうだと一気に話した。また兄の洋八はデザイン関係の世界に挫折してやがて日本に帰ると言っていた。それでだ、帰って来たら二億は渡そうと思っているとも言った。野中がなかなかいい旅だったな洋平。今に赤木桂子が現れるよと言って笑った。そして野中は、今日で宮沢智恵子の事は終わりにする。小野寺部長にも強く言っておくと言った。やはり、野中は洋平の云うことは聴くようであった。
つづく


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